相続が発生し、遺言書がない場合、相続人全員で遺産の分け方を話し合う必要があります。
この話し合いの結果を文書にまとめたものが「遺産分割協議書」です。
なぜ重要なの?
・不動産の相続登記や銀行の相続手続きで提出が必要
・相続人全員の合意が証明される
・後日のトラブル防止になる
しかし、形式や記載内容に不備があると手続きが進まず、やり直しになることも…。
よくある「無効になる」ケース
ここからは、実務の現場で特によく見かけるミスを紹介します。
❌ ① 相続人全員の署名・押印が揃っていない
- 「一人分の押印が漏れていた」
「署名だけで実印がなかった」
👉 相続人全員の実印と、印鑑証明書が必要です(印鑑証明書は3か月以内が望ましい)
❌ ② 書式や記載方法に誤りがある
- 不動産の表記が「登記簿通り」になっていない
- 遺産の記載が曖昧(例:◯◯銀行の預金→正式名称で)
👉 不動産は登記事項証明書の通りに正確に書く必要があります
👉 預貯金も「支店名・口座種別・口座番号」まで明記すると安心です
❌ ③ 日付がバラバラ・署名が手書きでない
- 署名欄がワープロ印字のまま
- 日付がバラバラで不自然
👉 署名は**自筆(手書き)**が原則です
👉 全員が同日付で署名しておくとより信頼性が高まります
❌ ④ 内容に矛盾・不明点がある
- 誰がどの財産を取得するのか明記されていない
- 遺産が抜けていて、後からトラブルに
👉 財産目録をつける/専門家に確認してもらうことが大切です
無効を防ぐための5つのポイント
チェック項目 | 解説 |
相続人全員が実印で押印 | 印鑑証明書とセットで提出が必要 |
不動産・預貯金は正確な表記で | 登記簿・通帳から情報を転記 |
自筆署名・同日付を意識 | トラブル防止・信頼性アップ |
財産漏れがないか確認 | 特に不動産と預貯金に注意 |
必要に応じて専門家に確認 | 司法書士や行政書士のサポートも有効 |
書類は「形式以上に、信頼性」が求められます
協議書は一見シンプルな書類に見えますが、相続人全員の権利に関わる大切な書面。
法的に有効な書類とするには、正確性と形式の両立が求められます。
よくあるご相談例
- 「自分で書いたけど、これで大丈夫かわからない…」
- 「相続人の一人が押印を渋っていて進まない」
- 「登記に出したら『書き直し』と言われた…」
→ 染谷総合法務事務所では、遺産分割協議書の作成から相続登記・名義変更までトータルでサポートしています。

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