境界があいまい?隣地トラブルになる前に知っておきたい測量の基礎知識
相続や売却の場面で、土地の 「境界がどこにあるのか分からない」 という問題は非常によく発生します。
境界が不明確なままにしておくと、
隣地所有者とのトラブル
売却価格の低下
相続人間での争い
といったリスクにつながります。
特に古い土地では「境界標が失われている」「図面と実際が違う」といったケースが多いため、事前の測量と登記の確認が不可欠 です。
1. 「筆界」とはなにか?
境界問題を考える上で重要なのが 「筆界(ひっかい)」 という概念です。
筆界:登記簿上で法的に定められた土地と土地の境界線
所有者同士が話し合って勝手に変えられるものではなく、法律で固定されている
👉 「境界があいまい」というのは、物理的な境界標が不明確 な状態を指すことが多いのです。

2025.07.13
相続・売却前に知っておきたい基本知識 不動産を複数人で相続したり、夫婦でマイホームを購入したりしたとき、「共有持分」という言葉を目にしたことはありませんか? この「共有持分」は、不動産の権利関係や手続きに大きく関わる重要なポイントです。 この記事では、「共有持分とは何か?」という基本から、相続...
2. 境界トラブルが起きやすい場面
相続で土地を分けるとき
古い土地を売却するとき
道路拡張や近隣の建築工事の際
長年「なんとなくの境界」で利用していた場合
👉 いざ測量してみると「思っていたより土地が狭かった」「隣地に越境していた」などの問題が発覚することも珍しくありません。
3. 測量の種類と手続き
土地の境界をはっきりさせるためには、以下の測量が行われます。
現況測量
土地の現状を把握するための簡易測量。売却前の目安に使われる。
確定測量
隣地所有者立ち会いのもと、筆界を確認して境界標を設置する測量。売却や分筆に必須。
境界確定登記
確定測量をもとに法務局で登記を行う。法的に明確な境界が記録される。
👉 売却や相続で揉めないためには、「確定測量」+「境界確定登記」 が理想です。
4. 「筆界確認書」の重要性
隣地所有者と合意した境界は、「筆界確認書」 として書面に残します。
将来のトラブル防止になる
相続人や買主が安心できる材料になる
売却価格を下げずに済む
👉 書面で残しておくことが、後の大きな安心につながります。
5. 専門家に依頼すべき理由
境界問題は「測量士」だけでなく「法務(登記)」の知識も必要です。
境界確定登記は司法書士の分野
測量や筆界確認は土地家屋調査士の分野
トラブル対応には弁護士が必要な場合も
👉 複数の専門家が連携して初めて、境界問題はスムーズに解決します。
まとめ
境界があいまいなまま相続や売却を進めると、隣地トラブルや手続きの遅延を招きます。
筆界を理解すること
確定測量と境界確定登記を行うこと
筆界確認書を残しておくこと
これらが「境界問題を防ぐ3本柱」です。
染谷総合法務事務所では、土地家屋調査士・不動産チームと連携し、測量から登記、トラブル対応までワンストップでサポート いたします。
専門家に相談して“自分に合った対策”を
染谷綜合法務事務所では、司法書士・行政書士・税理士・不動産の専門家がチーム体制で対応しています。
家族信託・遺言・相続対策についてのご相談などなど、数多く承っております。