空き家を売るなら今!相続不動産の売却で注意したい3つの落とし穴
空き家を放置するリスクとは?
親から相続した家をそのままにしている「空き家」が全国的に増加しています。
総務省の調査によると、日本の空き家率は約14%にのぼり、今後も増加が予想されています。
しかし空き家を放置すると、次のようなリスクが発生します。
•固定資産税の負担が増える
管理されていない空き家は「特定空き家」に指定され、固定資産税の軽減措置が外れることがあります。
•建物の老朽化・倒壊リスク
人が住まない家は湿気や害虫、雨漏りで急速に劣化します。
•近隣トラブルや管理責任の発生
庭木の越境や害獣被害、倒壊事故などが起きた場合、所有者に責任が問われることもあります。
このような理由から、「売却して資産を整理する」ことは今後の生活を守る手段にもなります。
ただし、相続した不動産の売却には、一般的な売買とは異なる注意点がいくつかあります。
1. 名義変更をしていないと売却できない
よくある誤解
「親名義のままの家でも売れる」と思ってしまうケース。
実際には、相続登記(名義変更)を完了していない不動産は売却できません。
登記上の名義人(故人)は、法的に売却契約を結ぶことができないためです。
注意点
2025年4月からは、相続登記が義務化されます。
相続発生から3年以内に登記を行わない場合、10万円以下の過料(罰金)が科される可能性があります。
さらに、相続人が複数いる場合には、
「誰がどの割合で相続するか」を明確にするための遺産分割協議書を作成し、
全員の署名・押印を得てから登記を行う必要があります。
ワンポイントアドバイス
相続登記をしていないと、後々の売却時にトラブルになりやすく、
買主から「登記が終わっていないなら契約できない」と断られることも。
まずは、名義整理を早めに行うことが第一歩です。

2025.05.09
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譲渡所得税の特例を知らずに損をする
よくある失敗
相続した家を売却すると、売却益(譲渡所得)に対して譲渡所得税・住民税が課税されます。
しかし、多くの方が使える特例を知らずに、本来払わなくてもよい税金を支払っているケースがあります。
注意点
相続した家を売却する際に使える代表的な特例が、
「被相続人居住用家屋の譲渡所得の特別控除(3,000万円特別控除)」です。
この特例を利用すれば、最大3,000万円まで譲渡所得を控除でき、
税金の負担を大幅に減らすことが可能です。
ただし、以下の条件を満たす必要があります。
- 被相続人(亡くなった方)が一人で居住していたこと
- 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
- 建物が耐震基準を満たす、または取り壊されていること
これらを満たさないと控除が受けられないため、売却前に専門家(税理士・司法書士)へ確認しておくことが大切です。
染谷綜合法務事務所からのアドバイス
不動産の「名義」「売却時期」「税金の特例」には密接な関係があります。
場合によっては、登記を先に進めてから売却スケジュールを立てるほうが節税になるケースもあります。
売却スケジュールを甘く見るとトラブルに
よくある失敗
「空き家をすぐに売りたい」と思っても、相続不動産は手続きが多く、通常より時間がかかります。
- 相続人の数が多く、意見がまとまらない
- 遺産分割協議や登記、測量に時間がかかる
- 争いが発生し、調停や家庭裁判所に持ち込まれる
注意点
相続不動産の売却は、平均で3〜6か月、場合によっては1年以上かかることもあります。
売却を希望する時期から逆算して、
「いつまでに登記を完了させるか」「誰が手続きを担当するか」を早めに決めることが重要です。
まとめ:空き家を売る前に押さえる3つのポイント
- 名義変更(相続登記)を必ず済ませる
- 税金の特例を把握して節税対策を行う
- 売却スケジュールを余裕を持って立てる
これらを理解して進めることで、相続不動産の売却をスムーズに行うことができます。
染谷綜合法務事務所のサポート体制
染谷綜合法務事務所では、
司法書士・行政書士・宅建士・土地家屋調査士が連携し、
相続不動産の登記・名義変更・遺産分割協議・売却支援をワンストップで対応しています。
「まだ売るか決めていない」「登記の仕方が分からない」
といったご相談段階でもお気軽にご連絡ください。