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代襲相続とは?孫に相続が回るケースと注意点をわかりやすく解説

代襲相続とは?孫に相続が回るケースと注意点をわかりやすく解説

💡 はじめに

「父が亡くなって数年後、祖父の遺産の話が出てきた。私にも相続の権利があると聞いたけど本当?」
——このようなご相談は、相続の現場で実は少なくありません。

相続は通常、亡くなった方(被相続人)からその子ども(相続人)へと権利が引き継がれます。しかし、その子どもがすでに亡くなっていた場合、その子どもの子(=孫)が代わりに相続するケースがあります。
これが「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」です。

代襲相続は法律で定められた制度ですが、一般の方には少し分かりにくい仕組みです。
「孫にも権利があるの?」「どの範囲まで代襲されるの?」と混乱することも多く、相続関係の把握ミスや登記の不備につながることも。
ここでは、代襲相続の仕組みと注意点を、実例を交えてわかりやすく解説していきます。


🏠 代襲相続とは?

代襲相続とは、被相続人の子が相続開始前に亡くなっている場合、その子の子(孫)が代わりに相続する制度をいいます。
簡単に言えば、「本来相続するはずだった人に代わって、その子が相続する」仕組みです。

例を挙げると——

•被相続人(亡くなった方):おじいさん
•本来の相続人:おじいさんの息子(A)
•しかしAがすでに亡くなっていた場合、Aの子(孫B)が代わって相続する

つまり、孫Bが「代襲相続人」となり、Aが受け取るはずだった財産を引き継ぐことになります。

この制度は、家族の血のつながりを重視する民法の考え方にもとづいており、「親の代わりにその子が家を継ぐ」という考え方から生まれています。
なお、代襲相続は一代限りではなく、「孫の親(子)も死亡している場合は、ひ孫がさらに代襲する」ことも可能です(これを“再代襲”と呼びます)。

ただし、兄弟姉妹間の代襲は一代まで。甥・姪の世代で終了する点には注意が必要です。


🧭 代襲相続が起こるケース

代襲相続が発生するのは、次のようなときです。

1️⃣ 子どもが相続開始前に亡くなっている場合

→ 孫が代襲相続人になります。
例:父が先に亡くなっており、祖父の遺産を孫が引き継ぐ。

2️⃣ 相続人が“欠格”や“廃除”された場合

→ 法律上相続権を失った場合でも、その子どもが代わりに相続できます。

3️⃣ 兄弟姉妹が相続人の場合、その人が死亡している場合

→ その子ども(甥・姪)が代襲相続人になります。

ただし、甥・姪の代襲相続は一代限りで終了します。
また、代襲相続は「必ず発生するわけではなく」、戸籍上の関係と相続開始時点での生死により判断されます。

実務上は、「亡くなっている時期」「除籍・改製原戸籍の記載」などを正確に確認する必要があるため、専門家による戸籍調査が欠かせません。

📊 代襲相続の法定相続分

代襲相続人が相続できる割合(法定相続分)は、本来相続するはずだった人と同じ割合になります。

たとえば、被相続人Aに子どもが2人(BとC)いた場合、通常はそれぞれ1/2ずつ相続します。
もしBがすでに亡くなっている場合は、Bの子ども(孫D)がBの1/2の相続分をそのまま引き継ぎます。

Bに孫が2人(DとE)いた場合には、Bの1/2をDとEで等分(=1/4ずつ)します。

このように、代襲相続は「枝分かれのように引き継がれる」のが特徴です。
ただし、人数が増えると計算が複雑になるため、法定相続分を正確に理解しておくことが重要です。
遺産分割協議書を作成する際には、登記や税務と整合性が取れているかも慎重に確認しましょう。


⚖️ 注意点① 相続関係が複雑になりやすい

代襲相続が関わる相続は、相続人の人数が増えるため、手続きが煩雑になりがちです。
特に、

    • 孫が複数いる
    • 相続人の一部が行方不明
    • 代襲がさらに2代以上に及ぶ

場合には、誰がどの財産をどれだけ相続するかの整理に時間がかかります。

このような場合、相続関係説明図を作成し、法定相続人を明確化することが第一歩です。
法務局の登記申請でも、この図の添付が求められることがあります。

また、代襲相続が発生したことを知らずに相続登記を進めてしまうと、後から登記のやり直しが必要になるケースも。
「話し合いが終わったあとに別の相続人が現れた」などのトラブルを防ぐためにも、早めの確認が欠かせません。

🧾 注意点② 孫に相続税がかかることも

代襲相続で財産を受け継ぐ場合、相続税の課税対象になる点にも注意が必要です。
「孫がもらうなら贈与税でしょ?」と思われがちですが、代襲相続は法律上相続として扱われます。

そのため、孫も他の相続人と同じく基礎控除や税率の対象になります。
ただし、孫が相続に加わることで、控除枠が減る・課税額が上がるといった変化が生じることもあります。

また、代襲相続が2代・3代に及ぶ場合、相続税申告や登記費用が複数回発生するケースもあります。
財産規模が大きい場合は、司法書士・税理士・行政書士が連携してサポートできる体制のもとで進めるのが安心です。

💬 注意点③ 遺言書で代襲相続を指定できる?

遺言書では「誰に財産を相続させるか」を自由に指定できますが、法律で定められた代襲相続の仕組みを完全に無効化することはできません。
ただし、遺言書によって、

  • 代襲相続人が受け取る財産の種類
  • 他の相続人とのバランス

を調整することは可能です。

たとえば、「長男が亡くなっている場合は、その妻にではなく孫に土地を相続させる」など、意図を明確にしておくことで、のちのトラブルを避けることができます。

一方で、自筆証書遺言に不備があると、法的効力が認められず、結果的に代襲相続が自動適用されてしまうこともあります。
こうした誤解を防ぐためには、公正証書遺言の作成や専門家による文面チェックが有効です。


🌿 まとめ

代襲相続は、親子・孫の三世代以上にわたる家庭で非常に身近に起こりうる制度です。
「うちは大丈夫」と思っていても、いざ手続きになると想定外の相続人が現れるケースが珍しくありません。

相続人の範囲を正しく把握し、早めに戸籍を確認しておくことで、登記や税務のトラブルを防ぐことができます。
特に、相続登記の義務化(2024年施行)により、登記の放置は罰則の対象になる可能性もあるため注意が必要です。

🔹 染谷綜合法務事務所からのひとこと

代襲相続は「手続きの中でもっとも戸籍の確認が難しい」といわれています。
「祖父母の代まで遡る戸籍」「除籍・改製原戸籍」など、一般の方には入手や解読が難しいケースが多く見られます。

染谷綜合法務事務所では、
• 相続人調査(戸籍・除籍・改製原戸籍の収集)
• 相続関係説明図の作成
• 登記申請の代行
までワンストップでサポートしています。

「うちの場合、孫が相続するの?」「登記はいつまでにすればいい?」など、少しでも不安があればお気軽にご相談ください。
相続の混乱を防ぎ、ご家族の関係を守るお手伝いをいたします。

染谷綜合法務事務所では、
司法書士・行政書士・税理士・不動産専門スタッフがチーム体制であなたの相続をサポートします。

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