相続が始まった直後にやるべきことを、わかりやすくまとめました。
慣れない手続きが多いと思いますが、落ち着いて一つずつ進めていきましょう。
STEP1.死亡届の提出
期限:死亡から7日以内
提出先:市区町村役場
届出人:親族または同居者
必要書類:死亡診断書(お医者さんが書きます)
死亡届を出すと、「火葬・埋葬の許可証」がもらえます。
これで火葬や納骨ができるようになります。
世帯主が亡くなった場合は…
「世帯変更届」も14日以内に出しましょう。
死亡届提出後の事務処理
死亡届提出後 | 戸籍 | 自動的に除籍処理 | |
住民票 | 自動的に死亡事項が記載 | ||
印鑑登録 | 自動的に廃止・印鑑登録カード等は管轄の役場に返却する |
STEP2.健康保険証の返却
被保険者が亡くなった場合、加入していた健康保険証や介護保険証は、必ず返却する必要があります。
健康保険の種類によって、返却先や手続きが異なるため注意が必要です。
◆国民健康保険・後期高齢者医療制度
期限 | 死亡後できるだけ早く(目安として14日以内) |
提出先 | 被相続人の住民票がある市区町村役所の国保担当窓口 |
届け出人 | 遺族(世帯主や同居の親族など) |
必要書類 | 健康保険証、死亡を証明する書類(死亡診断書や死亡届の写し)、届出人の本人確認書類 |
◆社会保険(協会けんぽ・会社の健康保険など)
期限 | 死亡後速やかに(特に明確な期限はないが早めが望ましい) |
提出先 | 勤務先の会社(会社が健康保険組合に手続き) |
届け出人 | 原則として会社(必要があれば遺族が協力) |
必要書類 | 保険証、死亡診断書の写しなど(会社の指示に従う) |
◆共済組合・船員保険
提出先 | 勤務先の会社(会社が健康保険組合に手続き) |
詳細 | 加入先により異なるため、組合または勤務先へ直接確認が必要 |
ポイント・注意点
介護保険証もあわせて返却が必要です(市区町村の介護保険課)。
扶養されていた家族がいる場合は、保険の切り替え手続きが必要です。
条件により「葬祭費」「埋葬料」が支給されることもあるので、忘れずに確認を!
STEP3.未支給年金等の請求
亡くなった方が年金をもらっていた場合、もらえていなかった分の年金(未支給年金)を家族が請求できます。
◆請求手続き
期限 | 原則として死亡を知った日の翌日から5年以内 |
提出先 | 亡くなった方が年金を受け取っていた年金事務所(最寄りの日本年金機構) |
届け出人 | 被相続人と生計を同じくしていた遺族(配偶者、子など) |
必要書類 | 以下の書類が一般的です(窓口で指示あり) ・未支給年金請求書 ・故人の年金証書 ・死亡診断書または戸籍の除籍謄本 ・請求者と被相続人の関係がわかる書類 ・請求者の本人確認書類 ・振込先口座情報 |
ポイント・注意点
未支給年金は「相続財産」ではありません。
相続人全員の共有財産ではなく、あくまで生計を共にしていた遺族が対象です。受け取った未支給年金は一時所得に分類され、相続税の対象ではありません。
故人が複数の年金を受給していた場合(例:老齢年金+障害年金)、それぞれ別に手続きが必要になることもあります。
STEP4.遺族年金の申請
亡くなった方が年金保険に入っていた場合、一定の条件を満たせば、ご遺族が年金を受け取れることがあります。
◆遺族基礎年金(国民年金)
亡くなった方が国民年金に加入
対象者:
子どもがいる配偶者
18歳年度末までの子ども(または20歳未満の障害のある子)
◆遺族厚生年金(厚生年金)
亡くなった方が会社員などで厚生年金に加入
対象者(優先順):
妻・子ども・55歳以上の夫
両親・孫・祖父母(55歳以上など条件あり)
それぞれの年金には細かい条件があります。
「自分が対象かも?」と思ったら、まずは年金事務所に相談してみましょう!
その他の制度(知っておくと安心)
◆寡婦年金(国民年金)
亡くなったご主人が年金をもらっていなかった場合、60~65歳の間だけ奥さんに支給される年金です。
◆死亡一時金
亡くなった方が国民年金を3年以上払っていたのに、一度も年金を受け取っていなかった場合、
ご家族に5万~32万円程度の一時金が支給されることがあります。
まずはここからやってみよう
✓死亡届を提出した
✓保険証を返した/切り替えた
✓ 年金の手続きを調べた
✓対象になる遺族年金があるか確認した
このまま、次のステップへ進みましょう
→相続の全体の流れを見る(相続とは?)
相続手続きは一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
ご事情に合わせて、必要な手続きをわかりやすくご案内いたします。