売買による不動産所有権移転登記
不動産の売買をした場合は、売主と買主が共同して、売買による所有権移転登記(売買登記)を申請する必要があります。 売買による登記は、銀行などで行われる「決済」が一番多いですが、「現金決済」も最近増えてきました。「無理なローンを組むより、少し安めの物件で現金で買えた方がいい」という方が増えてきたのかもしれません。
税金について
- 不動産売買により課税される税金「不動産取得税」 個人の売主には、譲渡益に所得税・住民税が分離課税されます。譲渡不動産の所有期間により、所得税・住民税の税率が異なります。
法人の売主には、売却益と他の益金を合算して法人税・法人住民税・事業税が課税されます。
不動産を時価の50%未満の価格で売買した場合(低額譲渡の場合)は、「時価と譲渡価額の差額分の贈与」とみなされ贈与税の課税対象になるなど、通常とは異なる課税がされてしまいますので注意してください。 引用:国税庁No.7191 – 登録免許税の税額表
- 所有権移転登記にかかる「登録免許税」 登記申請のさいに納付する登録免許税は、不動産評価額の20/1000(2%)です。 例外
- 土地の場合 不動産評価額の15/1000(1.5%)に減額されます。(特例法)
- 住宅の場合 減額要件を満たす場合、評価額の0.3%になります。※
減税要件を満たす住宅について、さらに「未使用特定認定長期優良住宅」に該当する場合、評価額の0.2%になります。 ※住宅の減税要件(租税特別措置法73条・74条2項)
建物の売買による所有権移転登記の登録免許税の減税を受けるに際し、主に次の要件を満たす必要があります。
- 附属建物でないこと
- 登記名義人個人の自己居住用の家屋であること(法人、住宅でないものはだめです。)
- 家屋の床面積が50m2以上であること
- マンションの場合、耐火建築物または準耐火建築物であること
- 使用されたことのある家屋については、次の要件を満たすこと
- 耐火建築物の場合、築25年以内
- 耐火建築物以外の場合、築20年以内
- 上記年数を超える場合、現行耐震基準に適合
- 購入後1年以内に所有権移転登記の申請をすること
- 減税適用・不適用の税金比較
例:評価額2,000万円の建物の場合 減税不適用の場合 2,000万円×20/1000(2%) = 40万円 減税適用の場合 2,000万円×3/1000(0.3%) = 6万円 長期優良住宅該当(未使用特定認定)の場合 2,000万円 × 2/1000(0.2%) = 4万円
交換による不動産所有権移転登記
不動産を交換する場合、
- 等価価値の不動産を交換するのみ方法
- 交換の際に差額を金銭で支払う方法
- 片方の不動産2つ以上と他方の不動産1つを交換する方法
などで行われます。税制面の優遇がある一方、手続きが少し複雑になります。
必要な手続き
- 登記申請 不動産を交換した場合は、当事者が共同して、所有権移転登記(交換登記)を申請する必要があります。
- 農地法の許可申請 農地または採草放牧地が交換する対象不動産だった場合、農地法上の許可(農業委員会の許可)が必要となります。
許可を受けずに農地等の交換をしても、登記申請することができません。法律上は無効となってしまうためです。さらに、違反者は原状回復を命じられ、罰則も科されますので、農地の場合は必ず許可をとることを前提にされたほうが賢明でしょう。
農地に関する許可申請は、行政書士として承っておりますので、ご安心ください。
税金について
- 不動産交換により課税される税金「不動産取得税」 不動産を交換する場合、課税される税金についても事前に確認しといたほうが無難です。
原則として、その不動産を時価で売却したものとして、課税されます。
個人譲渡者には譲渡所得による所得税・住民税が課税されます。
譲渡不動産の所有期間により、所得税・住民税の税率が異なります。
法人譲渡者には売却益について法人税が課税されます。
譲渡不動産の所有期間によって重課される土地譲渡益重課税は、平成25年3月31日まで適用されませんでしたが、現在は適用、つまり課税されます。 例外として、土地と土地または建物と建物を交換した場合に譲渡がなかったものとする特例(固定資産の交換の特例)を利用し、非課税で不動産を交換することも可能です。
固定資産の交換の特例を受ける場合は、一定の条件を満たす必要があります。
- 所有権移転登記にかかる登録免許税 登記申請のさいに納付する登録免許税は、不動産評価額の20/1000(2%)です。
売買・交換についてのお見積り
お見積もりをご希望される方は、
染谷総合法務事務所へメールまたはお問い合わせフォームをご利用ください。
なお、お送り頂きましたお客様情報は
日本司法書士連合会・個人情報保護指針による適正な管理をいたします。
※補足
真剣にお悩みの方を優先して相談予約をしているため、ご連絡先を必須項目にしております。
個人情報保護指針につきましては、
日本司法書士連合会・個人情報保護指針をご覧ください。
お問い合わせの内容によっては、お電話で回答させていただく場合がございます。また、当事務所の司法書士自体があまりパソコンに不慣れなため、大変恐縮ではございますが、メール回答が遅くなってしまう場合がございます。あらかじめご了承くださいませ。