~手続きの煩雑さも含めて正直にお伝えします~
「親が認知症になったとき、銀行や不動産の手続きってどうなるの?」
「成年後見制度って聞いたことあるけど、実際どうなの?」
今回は、成年後見制度の実情をメリット・デメリットの両面からお伝えします。
良い制度ではありますが、利用前に知っておきたいポイントも多いのが実情です。
成年後見制度とは?
成年後見制度は、判断能力が低下した方を法律的にサポートする制度です。
財産管理や契約の代行、必要な生活支援などを「後見人」が行います。
POINT例えばこんなときに使われます:
・認知症の親の代わりに、銀行口座の管理や介護施設との契約をしたい
・不動産の売却や相続手続きを進めたいが、本人の意思確認が困難
・詐欺や悪質商法から本人を守りたい
メリット(よい点)
1.法的にしっかり保護される
裁判所の監督下で後見人が活動するため、本人の財産を安全に守る仕組みがあります。
2 .銀行・不動産・行政など、あらゆる場面で使える
成年後見制度を利用すれば、幅広い手続きが正式に可能になります。
銀行の凍結口座解除や、不動産売却、福祉施設の入居契約などがスムーズになります。
3. 悪質な契約の無効化が可能
判断能力がない状態で結ばれた契約を、後見人が取り消すことができるため、詐欺被害の予防・救済にも役立ちます。
デメリット(事前に知っておきたいこと)
1. 手続きが煩雑・時間がかかる
家庭裁判所に申し立てる必要があり、書類の準備や医師の診断書取得、審理に数ヶ月かかることもあります。
→「今すぐ親の代わりに手続きしたい!」という緊急対応には不向きです。
2. 一度始めるとやめられない
一度後見人が選任されると、本人が亡くなるまで制度が続くのが原則です。
柔軟な見直しがしにくいという面もあります。
3. お金の使い方に自由がきかない
後見人は裁判所の監督を受けるため、家族の判断だけで自由に使えないケースも多いです。
例えば:
・家族が介護のために遠方から引っ越しても、交通費・住居費を本人の口座から出せない場合も
・節税対策なども基本的には制限される
4. 費用がかかることもある
専門職(弁護士・司法書士等)が後見人に選ばれた場合、毎月2〜5万円程度の報酬がかかる場合があります。
こんな方には他の選択肢もおすすめ
成年後見制度は非常に有効な制度ですが、誰にでも万能というわけではありません。
例えば、
- 「将来に備えておきたい」
- 「認知症になる前に信頼できる家族に任せたい」
という場合は、家族信託などの別の制度の方が柔軟に対応できることもあります。
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